カラー管理および .tx テクスチャの各ワークフローにいくつかの基本的な変更が加えられたため、以前のバージョンの Arnold for Maya から Maya 2017 以降にシーンを移行する場合は注意を払う必要があります。 変更点は次のとおりです。 詳細については、Arnold for Maya 2017 のリリース ノートを参照してください。

カラー管理

オートデスクのカラー管理(Synergy カラー管理コンポーネント、つまり SynColor)は、いくつかのオートデスク アプリケーションに統合されている共有テクノロジ コンポーネントです。 これにより、混合パイプライン全体で一貫したカラーの処理、解釈、およびコミュニケーションが可能になります。 オートデスクのカラー管理は、ACES、ICC、OpenColorIO、ASC CDL などのさまざまなカラー管理手法をサポートするように設計されています。 新しいワークフローを採用したり旧バージョンのものをエミュレートできるように、さまざまなカラース ペースとエンコーディングを使用して作業することができます。

 

オートデスクのカラー管理は、カラー エンジンと、入力、出力、表示、その他の状況に適したトランスフォームのコレクションで構成されています。 トランスフォームは、.ctf フォーマットの個別のファイルとして提供されます。.ctf は、Academy/ASC XML のカラー トランスフォーム フォーマット(color transform format)の Extension です。 複雑なトランスフォームを作成するために複数のファイルを結合することができ、さらに、カスタマイズの目的でユーザ独自のファイルを作成することができます。
カラー エンジンは、1D Look-Up Table (LUT)、3D LUT、ガンマ、対数/逆対数、露光とコントラスト、行列の乗算などのさまざまなカラー操作をサポートします。

 

オートデスクのカラー管理では、ネイティブ .ctf ファイルに加え、多くの一般的なカラー トランスフォーム ファイル フォーマットを読み込むことができます。これには、旧バージョンの Autodesk .lut および .3dl フォーマットや、CineSpace、Iridas、Pandora、Nuke などのサードパーティ フォーマットが含まれます。

OCIO が Maya のカラー管理に使用されている場合、ノード color_manager_ocio は SynColor との依存関係を防ぐために書き出されます。

Arnold を使用したカラー管理

Maya のカラー管理は Maya 2017 の Arnold で完全にサポートされています。 Maya の Preferences (Windows >Settings/Preferences > Preferences)で定義した Display View Transform が、すべての表示デバイス(Arnold RenderView、Maya Render Viewer、Material Viewer、VP2)に適用されるようになりました。 以前のバージョンの MtoA は、入力テクスチャ(ガンマなど)のカラー管理はサポートしていませんでした。 Maya 2017 は既定で入力テクスチャのカラー管理をサポートするようになりました。 そのため、Maya 2016 と 2017 のレンダーのガンマに違いがあることに気付いたかもしれません。

カラー管理を気にせずに(Maya 2016 以前の)既存のシーンを開いた場合、Maya 2017 でカラー スペースに関連する問題が発生したことがあるかもしれません。


既定では、Maya のカラー管理はすべてのテクスチャを sRGB に設定します。 ただし、多くの EXR ファイルはリニアです。 次の例では、「sRGB」(既定)に設定された EXR ファイルを使用して Ai Skydome ライトをレンダリングする場合に発生する現象を「Raw」を使用した場合と比較します。 sRGB ビュー トランスフォームが 2 回適用されているため、左側のイメージ(sRGB)は明るく表示されます。

 

  • これを解決するには、すべての EXR ファイルが「Raw」カラー スペースに設定されるように Maya のカラー管理でルールを設定します。

「EXR」イメージの入力カラー スペースを「Raw」に変換するために追加されたカラー管理ルール

 

  • または、Ai Skydome ライトに接続された HDR マップのカラー管理を手動で設定することもできます。

「Raw」に設定された HDR マップのカラー スペース

カラー管理と自動 Tx

入力テクスチャの場合、カラー管理ルールは、テクスチャをミップマップ(.TX ファイル)に変換するときに適用されます。 「Color Space」アトリビュートは Arnold のイメージ ノードにも表示され、TX 変換時には考慮されます。 Arnold Render Settings の「auto-tx」アトリビュートは既定では有効です。 必要に応じて、すべてのファイルが .tx ミップマップに自動的に変換されます。 この既定の動作により、カラー管理は入力テクスチャと表示の両方で最適になりました。 進行状況を示すバーが最初のレンダリングで表示され(またはテクスチャが修正されるとき)、ミップマップに変換するイメージ数が表示されます。 「auto-tx」を無効にすると、テクスチャを手動で変換する必要があります。TX Manager (Arnold > Utilities > TX Manager)には各テクスチャのカラー スペースが表示されるようになるので、それぞれを適切なミップマップに変換します。 Arnold Render Settings の「Gamma Correction」アトリビュート(Display Gamma、Shader Gamma、Texture Gamma、Light Gamma)は廃止され、削除されました。 texture_automip パラメータも削除されました(新しい auto-tx に似ていますが、レンダリングごとに RAM で実行されます)。

 

入力カラー スペースとレンダリング カラー スペースを Maketx で使用して、ミップマップ処理直前のテクスチャのカラーを管理できるようになりました。 シーン内のすべてのテクスチャが .tx に変換されるため、このオプションを使用する場合は注意が必要です。レンダリングの多少の違いに気付いたユーザもいるかもしれません。 ライティングに使用する法線マップベクトル ディスプレイスメント マップ、および HDR マップを含むシーンでは、この違いが明らかです(カラー管理が Maya 2017 の Ai Skydome ライトと Ai Sky シェーダでサポートされるようになりました)。

生成されたイメージのカラー管理を行うために、kick で入力/出力カラー スペースとレンダリング カラー スペースを使用できるようになりました。

 

Arnold for Maya 2017 で .tx テクスチャを使用する場合に注意する内容は次のとおりです。

  • 既定では、Arnold はすべてがリニアであると理解しています。
  • テクスチャが .tx に変換され、「Use Existing .tx textures」が Render SettingsTextures タブでオンに設定されている場合のみ、File In ノード カラー スペースは Arnold で優先されます。
  • テクスチャは .tx に自動的に変換されます(上記を参照)。
  • テクスチャのカラーを適切に管理するには、「Use Existing .tx Textures」を有効にする必要があります。 テクスチャは正確なカラー スペースを使用して変換されるため(古い既存の .tx ファイルを削除)、すべてのテクスチャを変換するには最新バージョンの MtoA の Maketx ツールを使用する必要があります。
  • 「Use Existing .tx Textures」を無効にして、JPEG ファイルなどをレンダリングする場合、sRGB カラー トランスフォームが 2 倍になるため、レンダリングが通常よりも明るくなります。 Arnold は線形的に動作するため、レンダリング時に File In ノードがどうなるか分かりません。 JPEG が sRGB カラー スペースを使用して線形化されず、表示トランスフォーム セットを sRGB に設定している場合、sRGB 値の 2 倍に等しくなります。
  • Maya 2017 の「Auto-convert Textures to .tx」は、Maya 2016 で以前に保存したあらゆる .tx ファイルをオーバーライドする可能性があります。 そのため、Maya 2016 が異なるカラー スペースで新しい .tx ファイルをレンダリングし、正しく表示されなくなります。

 

 

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